エネルギー分散型蛍光X線分析装置
エネルギー分散型蛍光X線（EDXRF）分析は、多様な材料に含まれる元素を迅速・簡便かつ高精度に定性・定量できる、代表的な分析手法の一つです。この手法は非破壊であり、サンプルの前処理をほとんど必要とせず、ほぼあらゆる種類の試料に対応可能です。ナトリウム(Na)からウラン(U)までの広範な元素を測定でき、濃度範囲はppmレベルから100％レベルまで対応します。さらに、バルク試料の元素分析に加えて、多層薄膜の厚さおよび組成の測定にも利用されます。
EDXRFの用途は非常に広く、石油や燃料、プラスチック、ゴム、繊維、医薬品、食品、化粧品・ボディケア製品、肥料、地質試料、鉱石原料、スラグ、テール、セメント、耐火材料、ガラス、セラミックス、触媒、ウェーハの分析など、多岐にわたります。また、紙・フィルム・ポリエステルのコーティング厚さの評価や、金属・合金・ガラス・プラスチックの元素分析にも活用されています。さらに、法医学、固体廃棄物、排水、洗浄液、プールおよびフィルターの汚染モニタリングなど、微量元素の分析が求められる環境分野にも応用されています。加えて、原油や船舶燃料中の硫黄（S）濃度の測定にも用いられています。
シリコーン・コーティングの分析
シリコーンの塗布状態が不適切であると、剥離性能に大きな影響を与えることがあります。
EDXRFは、数秒でシリコーン付着量を測定できる非破壊・迅速・費用対効果が高い分析法として、コーティング工程の品質管理に広く活用されています。
石油分析ソリューション
EDXRFは、硫黄（S）や塩素（Cl）、および各種金属元素の測定において、迅速かつ高い汎用性を発揮する分析手法です。
石油業界において特に重要な硫黄の定量に加え、塩や塩素化合物、ニッケル（Ni）、バナジウム（V）といった金属汚染物の分析にも広く活用され、品質管理からコンプライアンス対応まで幅広くサポートします。
鉱業・精錬における元素分析
EDXRFは、あらゆる規模の採鉱および精錬プロセスに対応し、さまざまなサンプルや材料の元素組成を迅速かつ簡便に測定できる強力なツールです。
鉱石、鉱滓、スラグ、飼料などの分析において、金属含有鉱物およびそれらの酸化物の定量に広く活用されています。
