アプリケーションノート B-TA1092
はじめに
市販の2液混合エポキシ系接着剤について、接着後の保持時間を変えたサンプルの接着力を、引張荷重に対する接着後の横方向のズレをTMA引張荷重法により測定することで比較しました。
測定・解析例
測定は、Alベースフィルム(厚み70μm)を幅5mm長さ15mm、および幅5mm長さ10mmに切り出し、5mmの長さ部分を重ねて接着剤を塗布しました(接着部:5mm x 5mm)。室温(23℃)で3hr、4hr、5hr、20hrそれぞれ保持したサンプルについて、両端をチャックし、荷重を20mN~300mNまで10mN/minで変化させ、横方向のズレによる膨張量を測定しました。
図 1 TMA引張荷重法測定結果
図2に荷重と膨張率のプロットを示します。
図 2 荷重-変化率 プロット
各保持時間後のサンプルを比較すると、3hr、4hr、5h、20hrの順で膨張率(ズレ)が小さくなっています。保持時間が短い場合には接着剤の未硬化部分が残り、その柔らかい部分が変形することにより、ズレ量が大きくなると考えられます。
今回使用した接着剤では、保持時間(硬化時間)が5hrで一定程度硬化が進行し、さらに20hr経過後には、ベースフィルムとほぼ同様な膨張率となっています。このことから、20hr後には硬化がほぼ完了したと推定されます。
この測定法は、フィルム材料を接着する場合の硬化時間と接着強度の関係や、表面状態の異なる材料間の接着強度を評価するための簡便な手法として利用できます。