X線CT画像の解析
X線CT画像で何がわかり、何を定量化できるのか、豊富なアプリケーションをご覧ください。
各材料の体積分率の解析
X線CTは、異なる密度を持つ材料を区別することができます。これらはCT画像で異なるグレースケールで表示され、通常、より明るい色調がより高い密度であることを表します。グレースケールのCT画像は異なる材料ごとにセグメント化され、各材料の体積分率はその材料が持つボクセル数に基づいて計算されます。
粒子、細孔、および繊維の解析
X線CTを使用して、試料中の粒子、空孔、および繊維を画像化することができます。これらが個々のオブジェクトとしてセグメント化および分離されると、そのサイズ、形状などを定量化できます。繊維の場合、その方向、長さ、アスペクト比などがわかります。それぞれの空孔やボイドは空孔ネットワーク(空孔本体と空孔のフタとなるスロート)に変換され、空孔ネットワークの接続性解析、屈曲度解析、透過性シミュレーションなどに使用できます。
コーティングと肉厚の解析
X線CTを使用すると、コーティング、試料各部位の肉厚、および内部構造(たとえば、3Dプリントされた部品のサポートグリッドなど)を画像化することができます。これら内部構造がセグメント化され、表面メッシュに変換されると、各構造の肉厚分布を計算し、色分けして視覚化できます。
計測および寸法測定
X線CTは、さまざまな部品の全体を3Dでスキャンすることができ、部品外部および内部の寸法測定が可能です。この手法は、設計寸法と実測寸法の比較、GD&T(幾何形状の寸法と許容差)を含む寸法測定に使用され、積層造形技術(いわゆる3Dプリンター)が内部構造を容易に製造できるようになるにつれ、より一般的な寸法測定ツールとして利用されています。寸法測定では、スケールのキャリブレーション測定を行い、画像解析でオブジェクトの表面を正しく定義することが重要です。
非破壊3Dイメージング
X線CTは非破壊の3次元イメージング技術です。さまざまな目的で多様なものを3Dで見るために使用できます。例としては、機械部品、回路基板、金属およびプラスチックデバイスなどの故障解析があります。X線CTは薬剤錠剤の内部を見るためにも使用され、粒度や混合均一性の評価、更にひび割れ、空隙、劣化のチェックにも利用されています。
もっと学ぶ CTデータの解析
X線CTが有用である一方で、取得したCT画像の定量解析はその画質に応じて難易度が異なります。CTデータの解析方法、さまざまな解析技術の各種試料への適用方法について、多くのウェビナーをご用意しています。もし動画ではなく記事をご覧になる場合、包括的なガイドである「マイクロCTとは?」がおすすめです。