アプリケーションノート B-XRF3042
はじめに
電池用セパレータへの金属異物の混入は、内部短絡や局所発熱の原因となるため、品質管理や故障解析において重要な分析対象です。金属異物は数十µm程度の微粒子も含まれ、目視での特定が困難な場合があります。そのため効率的に異物を検出するとともに元素情報を取得することが求められます。本アプリケーションでは、リチウムイオン電池のセパレータを微小部蛍光X線分析装置 Qualanaで分析し、試料全体の元素マッピングにより異物を検出した後、その周辺領域について高分解能の元素マッピングを実施しました。
測定・解析例
200 μmの分析径を用いて試料全体(25 mm×30 mm)をマッピング測定し(所要時間15分)、異物の有無を調べました。図1(a)(b)に、光学カメラでの試料画像とFe Kα線についての結果を示します。Feは試料の右下から検出され、カメラ画像では捉えられなかった微小異物を発見できました。さらに、Feが検出された周辺領域(3.2 mm×3.7 mm)について分析径20 μmとしてマッピング測定を行いました(所要時間10分)。その結果を図1(c)(d)に示します。数十µm程度のFe粒子が複数点検出されました。また20 µmで詳細にマッピングしたことで、Feと同じ箇所にCrも検出できました。このことから、本試料にはステンレス由来の金属異物が混入していることが示唆されました。
Qualanaでは、以上のような試料全体から注目部分への分析を一連の流れで行えます。また、図2のように測定後でも分析の流れを追跡できるため、測定データや解析結果の管理が容易になります。
図1:(a) 試料画像、(b) Fe Kα線の結果、(c) Fe Kα線の結果(分析径 20 μm)、(d) Cr Kα線の結果(分析径 20 μm)
図2:分析結果閲覧のソフトウェア画面