アプリケーションノート B-TA1073
はじめに
繊維には、植物・動物由来の天然繊維と、化学的に合成された合成繊維があります。本検討では、天然繊維として綿・麻、合成繊維としてアクリル・ポリエステルを対象に、TG-DTAにより燃焼特性を比較しました。
測定・解析例
サンプルとして、綿、麻、アクリル、ポリエステルの各シートを直径4 mmに打ち抜き、約3.5 mgをPt製容器に入れました。測定はAir雰囲気下、昇温速度10 ℃/minで、減量率が一定となる温度まで行いました。
図 1 TG-DTA測定結果
天然繊維である綿および麻では、250 ℃付近までに脱水によると考えられる減量が認められました。一方、合成繊維であるアクリルおよびポリエステルでは、この減量は見られませんでした。このことから、天然繊維の方が吸湿性が高いと考えられます。綿および麻は類似した分解挙動を示し、250 ℃付近から550 ℃までに2段階の減量と連続した発熱ピークが観測され、最終的な減量率はほぼ100 %となりました。第1段階の減量(250 ℃~400 ℃)については、綿に比べて麻の方が低温側で終了しており、発熱ピークも大きいことから、麻の方がより低温側で燃焼が進行すると推測されます。
ポリエステルでは、350 ℃~550 ℃の範囲で2段階の減量と連続した発熱ピークが確認され、綿や麻に比べて分解挙動が約100 ℃高温側にシフトしていることがわかります。
一方、アクリルは他のサンプルとは異なり、300 ℃~700 ℃にかけて3段階の減量と連続した発熱ピークを示しました。500 ℃付近までの減量率は約38 %と小さく、他の繊維と比較して耐熱性が高いことが推定されます。