STAvesta

熱重量-示差走査熱量測定装置(TG-DSC)

重量変化と吸熱・発熱反応の測定

STAvestaは、「欲しかった機能」「求めていた精度」「信頼できる安定性」をすべて備えたTGとDSCの同時測定装置です。 酸素濃度の低減、新開発の自動調整機構、電気炉内部の均熱化によるベースラインの安定化などにより、高精度で信頼性の高い定量測定を実現します。

試料観察炉をはじめ電気冷却炉、高濃度水蒸気雰囲気炉など全7種の電気炉はアタッチメントの干渉なく目的に合わせて簡単に交換可能で発生ガス分析などの拡張性も十分に配慮した設計になっています。 初心者から専門家まで、あらゆるユーザーの測定を幅広くサポートします。

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STAvesta 概要

試料観察炉をはじめ電気冷却炉、高濃度水蒸気雰囲気炉など全7種の電気炉はアタッチメントの干渉なく目的に合わせて簡単に交換可能であるため、測定目的が変わったとしても、電気炉ユニットの交換で柔軟に対応可能です。また、GCMSやFTIRなどのガス分析装置との複合測定アタッチメントなどの拡張も可能です。

これにより、1台の装置で広範囲なデータを取得する測定装置として拡張性がさらに向上し、従来では判別しにくい現象でも多面的なデータを得られるようにすることで、より幅広い分野での材料分析にご使用いただけます。発生ガス分析などの拡張性も十分に配慮した設計になっています。

 

正確な補正をもたらす水平差動トリプルコイル天秤

ツインホルダの差動型TG-DSCは水平差動トリプルコイル方式が採用されています。この方式によりドリフトの原因となるさまざまな変動が補正・キャンセルされ、一段と高精度な重量変化測定が手軽に実現できます。

 

気密化・最適化された天秤部でワンステップ上の測定

STAvestaは装置気密性が向上し、装置配管の最適化がされています。

Middle Gas Portからガスを導入し、電気炉側と天秤側に分岐してガスフローさせることで、天秤ケース内部に溜まった残留酸素が測定試料部に到達しない構造になっています。

これにより、測定試料部の酸素濃度を少量のガス・短時間で下げることが可能です。

STAvesta_balance

性能向上で安心測定

TGベースライン再現性10μg以下の水平差動方式天秤を採用、さらに革新的なFlatBlankTM機能によりブランク調整を自動で行います。また気密・最適化された天秤部により少量のガスで、また非常に短時間で電気炉内の残留酸素を低減させた測定を可能にします。

FlatBlank機能

 

ベースラインの安定性を大幅に向上させる均熱ユニット

電気炉の保護管内部に均熱ユニットを組み込むことで、試料部周辺の熱分布が均一化され、輻射による熱授与および対流の影響を効果的に抑制できます。

これによりベースラインの安定性が大幅に向上し、より高精度で信頼性の高い定量測定を実現します。 (対象電気炉:標準炉S、高温炉H、傍熱炉)

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高機能温度コントロール

一定温度ホールド測定を行う際に温度プログラムに正確に追従するように高精度で制御するRapid制御+アドバンス制御を標準で搭載しています。

Rapid制御+アドバンス制御

 

多様な測定ニーズに対応する豊富な測定システム

微小重量変化測定に最適な水平差動型TG-DSCは、分離定量性に優れたダイナミックTG(CRC・SIA法に対応)を搭載しています。また、試料の自動交換が可能なSTAvesta+ASCのラインアップに加え、発生ガスから化学反応情報が得られるSTA/GC-MSに拡張が可能です。

 

多彩な電気炉に対応

標準電気炉、高温電気炉に加え試料変化を観察できる試料観察炉、雰囲気耐性に優れた傍熱電気炉、高速昇温/冷却効率の優れた赤外線加熱炉、水蒸気雰囲気測定に欠かせない高濃度水蒸気雰囲気電気炉、また-40℃までの低温測定が可能な電気冷却炉にお客様ご自身で交換可能です。リガクのSTAvestaの電気炉全7種すべてが付替え可能であるため1台のSTAで幅広い測定に対応します。専用機として複数台ご準備いただく必要はありません。

 

自己診断機能

vestaeye 測定を開始する前に異常がないかを装置自体が診断し、正常動作しているかを確認できるようになりました。装置起動時は全ての自己診断項目を実施するフルチェックを、測定待機中および測定中には簡易チェックを行い、装置の異常を早期に発見するため日々安心してお使いいただけます。

 

豊富な装置情報量

装置の正面右角部に設置されたユニークなデザインの液晶表示パネルに、現在温度、TGやDSC信号などの状況表示をさせることで、装置の状況が一目でわかります。また万が一のエラー発生時でも、エラー番号の表示を行い、内容を把握できます。

STAvesta 特長

正確な補正をもたらす水平差動トリプルコイル天秤
多彩な電気炉に対応
標準電気炉、高温電気炉、試料観察炉、傍熱電気炉、赤外線加熱炉、HUM炉、電気冷却炉
多様な測定ニーズに対応する豊富な測定システム

STAvesta 仕様

モデル名 Thermo plus EVO3 STAvesta
装置名 熱重量-示差走査熱測定装置
天秤方式 水平差動型示差熱天秤(TG-DSC)
測定温度範囲 標準:室温~1,100°C
高温:室温~1,500°C
傍熱:室温~1,500°C
試料観察:室温~1,100°C *¹
HUM:室温~1,400°C
電気冷却:-40~700°C
赤外線加熱:室温~950°C
昇温速度(最大) 標準:100°C/min
高温:100°C/min
傍熱:50°C/min
試料観察:100°C/min
HUM:20°C/min
電気冷却:20°C/min
赤外線加熱:室温~700°Cまで120秒 *²
試料量(最大) 1g(容量90μL)
TGレンジ ± 500mg
DSCレンジ ± 600mW (100°C)
± 1,400mW (1,000°C)
± 3,000mW (1,500°C)
DTAレンジ ± 1,000μV
比熱精度 *³ *⁴ ± 3%
TGドリフト *³ <10μg(~1,000°C)、<20μg(~1,400°C)
測定雰囲気 標準(S):空気、不活性ガス、減圧 *⁵
高温(H):空気、不活性ガス、減圧 *⁵
傍熱(B):空気、不活性ガス、減圧 *⁵
試料観察(C):空気、不活性ガス、減圧 *⁵
電気冷却(LR):乾燥ガス(擬似Air、不活性ガス N₂、Ar、He)
HUM(HUM):不活性ガス(N₂)、湿潤雰囲気
赤外線加熱(IRS):空気、不活性ガス、減圧 *⁵
オプション オートサンプルチェンジャー(試料数:52個、レファレンス:3個、較正用試料:5個)
各種電気炉ユニット(標準、高温、傍熱、試料観察、HUM、電気冷却、赤外線加熱)
ASC用安全カバー
均熱ユニット(対象電気炉:標準、高温、傍熱)
発生ガス導入インターフェース
装置寸法 抵抗炉S、抵抗炉H、抵抗炉B
412(W) x 355(H) x 561(D)(mm)
412(W) x 705(H) x 561(D)(mm) ASC付き
重量(本体) 45kg
55kg (ASC付き)、61kg (ASC、安全カバー付き)
電源 1Ø, AC100-120V/200-240V, 50/60Hz, 15A
*1 試料観察測定の最高温度は1,000°C
*2 ステップ加熱
*3 弊社条件による
*4 標準炉、高温炉のみ
*5 ASC測定では減圧測定不可

STAvesta オプション

以下のアクセサリーが、この製品で使用できます。

均熱ユニット

保護管内部に均熱ユニットを組み込むことで、試料部周辺の熱分布が均一化され、輻射による熱授与および対流の影響を効果的に抑制できます。

ガスセレクター

測定プログラムに連動し、試料室に流す2種類のガスを切り替えます。

フローメーター

試料室に流す雰囲気ガス(不活性ガス、Airなど)の流量をコントロールします。

2ch-フローコンポJr.

測定プログラムに連動して、炉内にフローするガスの切り替えやフロー量の設定が可能です。

試料容器

測定する試料(特に試料が金属の場合など)によっては試料容器を融解させ、試料ホルダーなどを破損することがあります。

サンプルシーラー・サンプルクリンパー

サンプルクリンパー・サンプルシーラー・高圧サンプルシーラーの3つの機能を備えた試料容器成型治具です。

STAvesta用ASC オートサンプルチェンジャー

52個の測定試料(4個の較正用試料)、3個のレファレンス試料をセットできます。

DSC 小沢法解析/TG 小沢法解析

簡易な操作で、反応の活性化エネルギーの計算、及び任意の温度において特定の反応率に達するまでの予測反応時間(試料寿命)を求めることができます。

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