X線反射率法による 金属薄膜の膜厚の面内均一性評価

    Application Note B-XRD2030

    はじめに

    薄膜材料で構成される各種デバイスの特性は薄膜の膜厚や緻密性の影響を受けるため、それら評価は大変重要です。X線反射率法は単層・多層にかかわらず、ナノスケールオーダーの膜薄の膜厚、密度、表面/界面ラフネスを非破壊で分析する手法です。結晶質・非晶質を問わず評価することができ、可視光に不透明な膜にも適用することが可能です。

    測定・解析例

    4インチSi基板上のAu薄膜(設計膜厚50 nm)のX線反射率測定を、Y方向に5 mm間隔で行いました。
    図1に各測定点で観測されたX線反射率プロファイルを示します。X線反射率プロファイルに現れる振動の周期は、短いほど膜厚が大きいことを示します。振動の周期が各測定点で一定でないことから、Au膜厚が試料面内で不均一であり、試料の端に近いほど膜厚が大きいことが予想されます。図2にY = 0 mmでのプロファイルフィッティングによる膜構造解析結果、図3に各測定点での膜厚解析値のグラフを示します。試料の中心から±15 mmの領域では約38.5 nmの均一な膜厚であること、その外側では次第に膜厚が増加し、測定領域の端では膜厚約43.5 nmであることがわかりました。

    各測定点で観測されたX線反射率プロファイル

    図1 各測定点で観測されたX線反射率プロファイル

    プロファイルフィッティングによる膜構造解析結果(測定点:Y = 0 mm)

    図2 プロファイルフィッティングによる膜構造解析結果(測定点:Y = 0 mm)

    各測定点での膜厚解析値

    図3 各測定点での膜厚解析値

    推奨装置・ソフトウェア

    • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab
    • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab SE
    • XY-4 inchφアタッチメント
    • 統合X線分析ソフトウェア SmartLab Studio II (XRRプラグイン)

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