DD(Direct Derivation)法®による 3成分試料の定量分析

アプリケーションノート B-XRD1111

はじめに

粉末X線回折法による定量分析は長らく、純物質や標準物質を用いて定量既知の試料を調製し検量線を作成する検量線法によって行われてきました。その後、パーソナルコンピューターを用いて結晶構造から計算する、検量線不要の定量分析が可能になりました。しかし、結晶構造が既知でなければならず、分析可能な物質には限りがありました。本方法は、測定プロファイルから得られる各成分の回折線ピークの総積分強度と化学組成だけで定量値が得られる方法です。

測定・解析例

コランダム(Al2O3)を33.3 mass%、カルサイト(CaCO3)を40.0 mass%、アナターゼ(TiO2)を26.7 mass%混合した粉末のDD定量分析法による分析例を示します。
(1) プロファイル測定を行います(図1)。
(2) 結晶相を同定し各成分の組成を決定します(図2)。
(3) WPPF(Pawley法)などで各成分の回折線ピーク総積分強度を算出し、DD定量法による定量値を求めた結果、混合比と近い定量結果が得られました(図3)。

プロファイル測定

図1 プロファイル測定

定性分析

図2 定性分析

WPPF(Pawley 法)によるフィティングとDD 定量法による定量結果

図3 WPPF(Pawley 法)によるフィティングとDD 定量法による定量結果

参考文献:    H. Toraya: J. Appl. Cryst., 49(2016) 1508-1516. 
H. Toraya: リガクジャーナル, 48(2)(2017) 12-18. 

推奨装置・ソフトウェア

  • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab
  • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab SE
  • デスクトップX線回折装置 MiniFlex
  • X線分析統合ソフトウェア SmartLab Studio II (Powder XRDプラグイン)

※「DD法」「Direct Derivation Method」「DD Method」は、株式会社リガクの商標または登録商標です。

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