透過X線回折法による 錠剤中の多形不純物の定量分析

    Application Note B-XRD1023

    はじめに

    医薬品の製剤化工程では、原薬が、賦形剤である糖やでんぷんなどと反応したり、打錠時の圧力で脱水・多形転移したりする場合があります。このため、錠剤形状のまま原薬の結晶形や多形不純物の有無を確認したいという要求がありましたが、一般的な反射型のX線回折法では、試料の形状の影響でデータが不正確になる、錠剤表面の情報しか得られない、という問題がありました。平行ビーム光学系(PB)や集光ビーム光学系(CB)を用いた透過X線回折法では、試料形状に存在しない回折プロファイルが得られ、錠剤内部の情報も得ることができます。ここでは、原薬の多形を含む錠剤を作製して、平行ビーム透過法によるX線回折測定から検量線を作成しました。

    測定・解析例

    気管支拡張剤として知られるテオフィリン無水物と、擬似的な多形不純物としてテオフィリン1水和物を混合して、原薬成分としました。この混合物に対して2倍重量の標準賦形剤(乳糖とでんぷんの混合物)を加え、直径が6 mm、厚さが3 mmの錠剤に成型しました。この錠剤を平行ビーム透過法で測定し、X線回折プロファイルを得ました。原薬中の多形不純物が1 mass%(錠剤中の全重量に対して換算すると0.3 mass%)と少ない場合でも10分程度の測定で検出することができ(図1)、かつ相関が高い検量線が得られました(図2)。

      錠剤中に含まれる疑似多形不純物の評価

    図1 錠剤中に含まれる疑似多形不純物の評価

     錠剤中に含まれる原薬と疑似多形の相関

    図2 錠剤中に含まれる原薬と疑似多形の相関

    試料ご提供 :東邦大学 寺田勝英先生

    推奨装置

    • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab
    • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab SE

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