無機・有機・蛋白質結晶を1 台で測定
Application Note
B-SCX2015
はじめに
以前は、低分子、蛋白質の各結晶を測定・解析する場合には、それぞれ専用の装置を必要としていました。しかしながら現在は、X線源の高輝度化と多波長化、光子計数型ハイブリッドピクセル検出器HyPix-6000HEの搭載、およびデータ測定・処理用ソフトウェア CrysAlisProによる最適化された測定スケジュールと3次元プロファイルフィッティング法による処理の組み合わせにより、1台の装置で無機、有機、蛋白質にかかわらず測定・解析することが可能となりました。
測定・解析例
リゾチームとその基質であるN-アセチルグルコサミン(GlcNac)を用いた構造解析例を示します。最初にGlcNacとリゾチームの結晶構造解析を独立に行い(図1, 2)、GlcNacの構造より精密化のためのライブラリー情報の作成及びアポ体のリゾチーム構造を取得しました。その後、リゾチーム-GlcNac複合体結晶の測定を行い、GlcNacとリゾチームの構造情報を利用して、複合体の構造解析(図3)を実施しました。有機分子である基質化合物の構造解析から蛋白質-基質複合体の共結晶の構造解析まで、1台の装置で実施できることがわかります。
推奨装置・ソフトウェア
- 単結晶X線構造解析装置 XtaLAB Synergyシリーズ
- 光子計数型ハイブリッドピクセル検出器 HyPix-6000HE
- 単結晶構造解析統合プラットフォーム CrysAlisPro