XRDプロファイル分解

AIはどのようなケースで効果があるのか?

このAI(Artificial Intelligence:人工知能)搭載モジュールは、未知の混合物のX線回折(XRD)パターンを複数の成分に分離し、各相の定量分析を行うことができます。AIを使用した分解には、試料についての知識や相同定分析を必要とせず、類似した相から成る数十から数百のXRDパターンの比較に有効です。

AI搭載のXRDプロファイル分解はどのように行われるか?

このモジュールは、もともと機械学習用に開発された次元削減アルゴリズムを使用しています。この次元削減アルゴリズムは、異なる重みでいくつかのXRDパターンを組み合わせることによって、XRDパターンを再現しようとします。その組み合わせは、ランダムに推測された相から始まり、毎回測定XRDパターンに合うように重みを調整しながら、必要に応じて相の数を徐々に増やしていきます。測定XRDプロファイルが少数の成分から成る組み合わせで十分に再現できるようになるまで、何千通りもの組み合わせを試して、このプロセスを繰り返します。ユーザーは相の数を自分で指定することも、アルゴリズムに推定させることもできます。この手法を用いて、未知の結晶相や非晶質相が含まれていても、問題なくプロファイル分解ができます。

AIによるXRDプロファイル分解はどのようなときに有効か?

AIによるXRDプロファイル分解は、類似したXRDパターンを多数分析する場合に有効です。例えば、in-situ測定、特にXRD-DSCや時間分解測定では、分析用に何百ものXRDパターンを生成することがあります。コンビナトリアル化学でよく使われる96ウェルプレートの測定でも、多くのパターンが生成されます。これらのデータを分析する際に、AIプロファイル分解を使用すると、オペレーターの関与を最小限に抑えながら、相同定と定量分析の結果を得ることができます。

 

下図は、類似した回折パターンの例です。

AI Phase Decomposition Figure 1

プロファイル分解アルゴリズムは、これらの回折パターンを非結晶相を含む3つの相に分解できると判断しました。

AI Phase Decomposition Figure 2

分解プロセスでは、各相がその重みに基づいて定量化されています。

AI Phase Decomposition Figure 3

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