X線回折法によるレアアース鉱石の結晶相同定・定量分析

アプリケーションノート B-XRD1172

はじめに

レアアースは永久磁石や電気自動車、風力発電などの先端産業を支える重要な資源です。一般に、レアアースはフッ化炭酸塩鉱物やリン酸塩鉱物中に存在しますが、粘土鉱物に吸着して存在することもあります。レアアースの存在形態や鉱物組成は多様であり、それぞれに適した選鉱・製錬法が用いられます。そのため、複数の鉱物が混在する鉱石では、構成鉱物の同定に加えて、各鉱物の含有量を評価することが求められます。X線回折法は、レアアース鉱物や共存鉱物の結晶相を識別する有効な分析手法であり、同定された各結晶相の含有量は、リートベルト解析を用いて定量的に評価できます。これらの情報は、選鉱・製錬法の最適化や資源評価に活用できます。

本アプリノートでは、小型X線回折装置MiniFlex XpCを用いたレアアース鉱石の結晶相同定およびリートベルト解析による定量分析例を紹介します。

測定・解析例

小型X線回折装置MiniFlex XpCを用いて、レアアース含有試料であるSample1およびSample2を約10分で測定しました。図1に結晶相同定結果を示します。両試料ともレアアース鉱物としてMonazite-(Ce) [(Ce,La,Nd,Th)PO₄]が同定され、共存鉱物としてHematite、Quartz、Anatase、Rutile、MuscoviteおよびNacriteが同定されました。表1にリートベルト解析による定量結果を示します。Sample1とSample2ではHematite、Quartz、MuscoviteおよびNacriteの含有量に差が認められ、両試料の鉱物組成の違いが明らかとなりました。MiniFlex XpCにより約10分で取得した測定データから結晶相を同定し、リートベルト解析を適用することで、定量が可能であることを示しました。これにより、鉱石特性の把握や選鉱・製錬法の最適化に有用な情報が得られます。

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図1 Sample1とSample2の結晶相同定結果
※縦軸はオフセット表記です。

表1 Sample1、Sample2中の各結晶相の重量分率

B-XRD1172_table_1_jp

推奨装置・ソフトウェア

  • 小型X線回折装置 MiniFlex XpC
  • デスクトップX線回折装置 MiniFlex
  • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab SE, SmartLab
  • X線分析統合ソフトウェア SmartLab Studio II (Powder XRDプラグイン)

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