X線回折法による銅鉱石の結晶相同定・定量分析

アプリケーションノート B-XRD1166

はじめに

銅は電線や伸銅品に広く用いられ、産業の基盤を支える重要な材料です。原料となる銅鉱石中の銅含有量は約1%と低く、多くの場合、選鉱により20~40%程度まで高めた銅精鉱として輸送されています。X線回折は鉱物組成評価が可能であり、探鉱・鉱山開発では銅鉱物相の同定による鉱床発見に利用されています。また、選鉱プロセスにおいては、銅鉱石相や主要鉱物・脈石鉱物の種類や量比を把握することで、最適化が可能になります。そこで本稿では、X線回折法を用いた銅鉱石の結晶相同定と定量分析の事例を紹介します。

測定・解析例

デスクトップX線回折装置MiniFlexを用いて、鉱床タイプの異なる銅鉱石の標準物質であるOREAS623(火山性塊状硫化物鉱床)とCGL103(斑岩銅鉱床)のX線回折パターンを10分以内の短時間測定で取得しました。

図1にOREAS623、図2にCGL103の結晶相同定結果を示します。それぞれ鉱床タイプに特徴的な金属鉱物相を有していることがわかります。また、表1にリートベルト解析による定量分析結果を示します。このように粉末X線回折法を用いることで、産地や鉱化帯ごとに、非破壊かつ迅速な結晶相同定・定量が可能です。

さらに蛍光X線分析(XRF)による元素分析結果を組み合わせることで、より正確な組成評価をすることが可能です。

B-XRD1166_fig1_jp_fix図1:OREAS623の結晶相同定結果

B-XRD1166_fig2_jp_fix図2:CGL103の結晶相同定結果

表1:OREAS623とCGL103中の各結晶相の重量分率B-XRD1166_table1_jp

※「―」の結晶相は解析相として含めていません。

推奨装置・ソフトウェア

  • デスクトップX線回折装置MiniFlex
  • 小型X線回折装置MiniFlex XpC
  • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab SE, SmartLab
  • X線分析統合ソフトウェア SmartLab Studio II (Powder XRDプラグイン)

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