アプリケーションノート B-TA1074
はじめに
繊維には、植物・動物由来の天然繊維と、化学的に合成された化学繊維があります。これらの繊維が衣服等に使用された場合の機械的耐久性の評価として、荷重変化に伴う膨張および収縮挙動を検討しました。
測定・解析例
サンプルは、綿、ポリエステル、レーヨンの各シート(厚み0.2mm)を幅5mm、長さ15mmに切り出し、22℃で温度保持しました。20mNから300mNまで引張荷重を段階的に変化させ、各荷重で10min保持し、膨張率を測定しました。
図 1 TMA測定結果
下表に、20mNを基準とした各荷重下での膨張率(%)を示します。
| 20mN | 100mN | 200mN | 300mN | 200mN | 100mN | 20mN | |
| 綿 | 0 | 0.47 | 1.12 | 1.77 | 1.46 | 0.98 | 0.43 |
| ポリエステル | 0 | 1.48 | 3.71 | 5.75 | 4.63 | 2.67 | 0.8 |
| レーヨン | 0 | 3.91 | 7.61 | 10.07 | 9.31 | 7.41 | 3.95 |
各繊維とも、荷重の増加に伴い膨張が見られますが、各荷重における膨張率は、綿、ポリエステル、レーヨンの順で大きくなっており、繊維の種類による差が確認されました。なお、膨張率の大きいレーヨンでは、荷重一定下において、経過時間とともに膨張が進行するクリープ現象が認められます。
また、各繊維とも、荷重の増加過程と減少過程において、同一荷重下でも膨張率に差が見られました。これは一度膨張した状態から荷重を減少させても元の状態に戻らない、塑性変形に類似した挙動と考えられます。この現象は特にレーヨンにおいて顕著に現れています。