アプリケーションノート B-TA1084
はじめに
ISO 17246 石炭とコークス-工業分析、およびJIS M 8812 石炭類およびコークス類―工業分析方法には、石炭類およびコークス類について水分、灰分、揮発分および固定炭素の量を求める方法が規定されています。
水分については、温度調整可能な電気恒温器と平形はかり瓶を使用する方法(空気中乾燥減量測定法)が、灰分・揮発分については、温度調整可能な電気炉と白金製るつぼを使用する方法が記載されています。
本アプリケーションでは、TG-DTAを使用してJIS規定の温度条件で水分・灰分・揮発分および固定炭素の定量(水分、揮発分および灰分は、ISO 1015、ISO 1171およびISO 562 に規定される分析概念を参考に、TGデータから評価)を試みました。
測定・解析例
水分・灰分については、石炭約26mgをPt製容器に入れ、昇温速度20℃/min、Airフロー下で実施しました。
水分は107℃で60min温度ホールド後の減量率から算出しました。灰分については、815℃で温度ホールドし、一定となった減量率から求めました。揮発分の測定では石炭約26mgをPt製容器に入れ、昇温速度20℃/min、N₂ガスフロー下にて900℃で温度ホールドし、重量変化が一定となった減量率から求めました。
図 1 TG-DTA測定結果
上の測定結果から
- 水分;107℃ホールド60min保持後の減量率から1.59%
- 灰分:815℃温度ホールドの減量率94.03%を100%から差し引いた5.97%
- 揮発分:900℃ホールドの減量率38.51%から水分1.59%を差し引いた36.92%
が得られました。固定炭素は、100-(1.59+5.97+36.92)=55.52% と計算されます。 今回の結果から、TG-DTAを使用した定量方法は簡便な補完的方法として、石炭サンプル間の品質(品位)評価に有効と考えられます。
参考
JIS M 8812 石炭類およびコークス類―工業分析方法に関連して以下のISO規格があります。- ISO 1015:1992 Hard coal — Determination of moisture in the analysis sample
- ISO 1171:2024 Coal and coke — Determination of ash
- ISO 562:2024 Hard coal and coke — Determination of volatile matter