熱分析豆知識
第25回 窒素は不活性ガス?
不活性ガス雰囲気下で熱分析を測定する場合、窒素ガスとアルゴンガスのどちらを使うのがよいかと聞かれることがあります。
ポリマーや医薬品の測定には窒素ガス、金属試料の測定にはアルゴンガスがよく使われます。これは、窒素は不活性なガスではなく材料によっては窒化を起こしてしまう可能性があるからです。これに対しアルゴンガスやヘリウムガスが本来の意味での不活性ガスとなります。ポリマーなどにおける不活性雰囲気下の測定は燃焼を防ぐ目的で使用するため窒素ガスで十分ですが、金属など窒化の可能性がある材料ではアルゴンガスを用いる必要があります。窒素雰囲気下で増量が見られる場合は一度アルゴン雰囲気下での測定を試してみるのも良いかもしれません。
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