アプリケーションノート BATT1003
はじめに
負極材黒鉛の結晶性は、電池容量に関係することが知られています。XRDを用いて面間隔d、結晶子径L、黒鉛化度P1(d 002=3.354P1+3.44(1-P1))を分析することで、黒鉛の結晶性を定量的に評価·管理できます。
また、この測定法は、JIS規格の7651:2024によって標準化されています。
構成分析
- 材料: 中間原材料
- 用途: 品質保証
- 分析材料: C(グラファイト)負極
- 使用機器: MiniFlex XpC
- 解析手法: 黒鉛化度解析

Figure 1: 黒鉛試料A,B,CのXRDプロファイ
Table 1: 黒鉛試料A,B,Cのd002、L002、黒鉛化度を計算した結果
(A,B,Cの順に黒鉛化が進行)
| 
 Sample | 
 d₀₀₂ (Å) | 
 L₀₀₂ (Å) | 
 P₁ | 
| 
 A | 
 3.44 | 
 14 | 
 0 | 
| 
 B | 
 3.371 | 
 575 | 
 0.80 | 
| 
 C | 
 3.363 | 
 1587 | 
 0.90 | 
結論
負極材黒鉛の品質を保証するには、黒鉛化度などの結晶性に関するパラメーターを管理することが必須
です。A試料は黒鉛化度が進んでいないため、負極材には不適と言えます。
 
      