NEX QC+による 石灰石中主成分の分析
はじめに
石灰石(炭酸カルシウム)は、セメントやモルタルの主成分として多く利用されており、道路建設用のコンクリートやアスファルトの骨材として使用されています。また、土壌改良剤としても使用されている他、生石灰(酸化カルシウム)、消石灰(水酸化カルシウム)を製造するための原材料にもなります。石灰石製品の品質と求められる特性を保つ為に、採石場および製造工程の双方で、各成分の含有率を正確にモニタリングすることは非常に重要です。エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX QC+(ネックス・キューシー・プラス)は、シンプルな操作で簡単に石灰石中主成分の含有率が分析でき、最小限のコストで信頼性の高い品質管理を行うことができます。
今回は、検量線法を用いた高カルシウム石灰石中のCaCO3、MgCO3、Fe2O3、Al2O3、SiO2、K2O の分析例を紹介します。
図1 NEX-QC+
また、タッチパネルの代わりに制御パソコンが付属したタイプ(NEX QC+ QuantEZ)もあります。
分析結果
石灰石中主成分の定量分析
産地が特定された標準物質14点を用いて検量線を作成しました。試料の「標準値」と作成した検量線による「測定値」を表1、相関図を図2に示します。試料内で生じるX線の吸収励起効果を補正するα補正も設定して検量線作成を行っています。
表1 石灰石中6成分の分析結果
また、繰り返し再現性を確認するために、標準物質のうち、4点について単純10回繰り返し測定を行いました。得られた結果を表2にまとめます。
表2 石灰石中6成分の再現性確認結果
(a)試料“H12”
(b)試料“H14”
(c)試料“H15”
(d)試料“H6”
まとめ
NEX QC+ を用いて石灰石中の主成分の分析を簡便・迅速に行えることを確認しました。NEX QC+は小型サイズながらも低コストで高精度な分析ができ、現場でのスクリーニング分析に加え、製造工程の品質管理分析にも対応できる非常に有用な装置です。