NEX QC による ASTM D6481 に基づいた潤滑油分析
Application Note
XRF3035
はじめに
ASTM D6481 はエネルギー分散型蛍光X線分析装置で潤滑油を分析するための標準試験方法です。この規格により規定されている成分と濃度範囲を表1に示します。
表1 規格により規定された成分と濃度範囲*
*ASTM D6481-99(2010)より
潤滑油製造プロセスにおける品質管理・品質保証は必要不可欠です。エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX QC(ネックス・キューシー)は、シンプルな操作で簡単に潤滑油中の無機元素成分の濃度を分析でき、最小限のコストで信頼性の高い品質管理・保証を行うことができます。
図1 NEX-QC
分析結果
市販の検量線用試料16点を用いて、4成分の検量線を作成しました。
表2 潤滑油中4成分の分析結果
潤滑油中4成分の再現性確認結果
標準物質のうち、3点について、単純10回繰り返し測定を行い、再現性を確認しました。結果を表2に示します。いずれも良好な再現性が得られています。
表3 潤滑油中4成分の再現性確認結果
(a) 試料“ASI 16b”
(b) 試料“ASI 6”
(c) 試料“ASI 10”
まとめ
NEX QCを用いて潤滑油中のリン、硫黄、カルシウム、亜鉛の分析を簡便・迅速に行えることを確認しました。また、バリウム(Ba)につきましても、同様の濃度範囲で同等の精度の分析が可能です。NEX QCは低コストで高精度な分析ができ、現場でのスクリーニング分析に加え、製品の品質保証、品質管理分析にも対応できる非常に有用な装置です。