ポリエチレンテレフタレートのガラス転移
Application Note
DSC001
アモルファス(非晶質)PETのガラス転移の測定例です。通常ガラス転移はベースラインのシフトとして現れますが、吸熱ピークを伴う場合があります。これはエンタルピ-緩和と呼ばれる現象であり、ガラス転移温度を通過する際の冷却速度、ガラス転移温度以下に保持された時間などの熱履歴に依存してピークの大きさが変化します。このようにガラス転移を測定することによって試料の熱履歴を知ることができます。また、ガラス転移温度以上に昇温した試料を再昇温した場合は、吸熱ピークは小さくなるか消失します。したがって、必要であれば、一度ガラス転移温度以上に昇温(1st.run)し、一定の熱履歴にした後、再昇温(2nd.run)を行います。