マイクロX 線CT によるスティッチング撮影

Application Note B-XRI1010

はじめに

観察する試料が大きい場合は視野を大きくしますが、拡大投影を使ったX線CTでは、視野が大きくなるほど一画素サイズが大きくなり、分解能が低下します。広い視野と高分解能を両立する手段として、複数のCT画像を縦に結合する「スティッチング」があります。ここでは卓上型マイクロX線CTを用い、モデル試料として、コンデンサーとカップ 容器入りのラーメンとを撮影しました。

測定・解析例 

図1にスティッチング撮影の模式図を示しました。スティッチングの試料ステージ位置は、撮影枚数から自動的に  決定されます。図2には、高さ2 cmのコンデンサーの例を示しました。図2(a)のCT画像はコンデンサーの高さが  収まる視野で撮影しました。図2(b)はスティッチングによるCT画像です。コンデンサーの幅が収まる視野で縦に3回撮影した画像が結合されています。一撮影での視野を青枠で示しました。下段に示した断層画像を比較すると、  小さな視野でスティッチングした図2(b)のほうが、金属箔の輪郭が明瞭です。図3にはスティッチングで得られた高さ11 cmのカップ容器に入ったラーメンのCT画像を示しました。このようにスティッチングを利用すれば、試料のサイズに応じて撮影範囲を広げることができます。

コーンビームCTシステムによる撮影の模式図(a)通常の撮影 (b)スティッチング撮影

図1 コーンビームCTシステムによる撮影の模式図
(a)通常の撮影 (b)スティッチング撮影

コンデンサーのCT断層画像

図2 コンデンサーのCT断層画像(a)広視野での単独撮影 (b)スティッチング撮影

カップラーメンのCT断層画像

図3 カップラーメンのCT断層画像

推奨装置

  • 3DマイクロX線CT CT Lab HX

お問合せ

製品選びから据付後の技術サービスまで、何でもお気軽にお問合せください。