マイクロX 線CT によるおにぎりの空隙の解析
Application Note
B-XRI1009
はじめに
パンケーキの柔らかさやコーンパフの歯ざわり、おにぎりのほぐれやすさといった食感には、食品内部の空隙の量や大きさが影響すると考えられます。パンケーキやパフの丸い気泡とは異なり、おにぎりには結着した米が作る不揃いな形状の空隙が存在します。ここではマイクロX線CTを用いて3種のおにぎり内部の空隙を非破壊で可視化し、空隙率と空隙の厚さを算出しました。
測定・解析例
試料は3種のおにぎりで、A 工場で製造、B 飲食店で調理、C 家庭で調理された ものです。歯ざわりはAが最も軽く、B、Cの順に重く感じました。CT撮影はそれぞれ 4分で実施しました。図1はCT再構成で得られた立体画像の一例です。図2には3試料のCT断層画像を示しました。米が白く、空隙が黒く写っています。具材の影響がない おにぎり上部で、20 mmの立方体形状を解析領域として切り出し(図2中赤枠)、空隙率を算出しました。図3には図2と同じ領域で、空隙の厚さを解析した結果を示します。着色部位の赤みが増すほど、空隙の厚さが増すことを直感的に把握できます。図4には空隙の分布を示しました。図2~4に示した結果の比較から、空隙率はAが最も 高く、空隙も厚いことがわかります。
図1 BのCT立体画像
図2 おにぎりのCT断層画像
図3 空隙の厚さの解析
図4 空隙の厚さの分布
推奨装置
- 3DマイクロX線CT CT Lab HX