マイクロX 線CT による プラスチック成型品の形状比較

Application Note B-XRI1008

はじめに

マイクロX線CTでは、マイクロメートルスケールの画素で描画された立体画像が得られます。この立体画像を計測 したり、試料間で比較したりすることで、軽金属やプラスチックの成形品に存在するわずかな形状の違いを数値化できます。ここではマイクロX線CTで、2つのプラスチック成型品の形状の違いを比較しました。

測定・解析例 

試料は密閉容器に組付けられた2つのロック部品で、部品を開閉したときの感触が異なります。ロック部品A(開閉が軽い)とB(開閉が重い)をそれぞれ4分でCT撮影し、CT画像からロック部品を解析領域として抽出しました。図1(a)、(b)には、部品A、Bそれぞれの立体画像を示し、図1(c)では部品Aに対するBの表面形状の差の分布を色で     表しました。図1(c)で、軸受けの両端が赤く表示されていることから、部品AとBでは軸受の端の形状に違いがある ことがわかります。図2には、図1(c)の矢印2方向からの部品Aの断層画像を示し、部品Bとの形状の差を細い線の向きと色で表しました。また、図3に形状の差のヒストグラムを示しました。図2および図3から、部品Bの軸受の端は部品Aの軸受より内側にあり、部品AとBとでは最大で約200 µmの差があることがわかります。部品Bの開閉時に 感じる重みは軸と軸受の摩擦によるものと考えられます。

ロック部品の立体画像 (a) 部品A、(b) 部品Bと (c) 部品Aに対する部品Bの差の着色

図1  ロック部品の立体画像 (a) 部品A、(b) 部品Bと (c) 部品Aに対する部品Bの差の着色

部品Aの断層画像上の部品Bの差

図2 部品Aの断層画像上の部品Bの差(d) 図1(c)の青矢印方向から見た断面 (e)赤矢印方向から見た断面

部品Aに対する部品Bの形状の差のヒストグラム

図3 部品Aに対する部品Bの形状の差のヒストグラム

推奨装置

  • 3DマイクロX線CT CT Lab HX

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