エネルギー分散型蛍光X 線分析装置 NEX DE 廃石膏中の微量有害元素分析
Application Note
B-XRF3028
はじめに
近年廃石膏ボードの再利用が進んでおり、そのガイドライン1)には有害金属元素の溶出の基準と試験法が定められています。公定法の溶出試験は手順や分析が煩雑なため、含有量による回収物の選別や溶出試験前のスクリーニング分析として、廃石膏ボードを粉末状態で測定可能な蛍光X線分析法が有効です。ここでは、エネルギー分散型蛍光X線分析装置NEXシリーズ NEX DEによる石膏中の微量有害元素の分析例をご紹介します。
測定・解析例
NEX DEは各エネルギー領域で最適化された一次フィルターの構成と60 kV対応X線管により広範囲の重金属に対して感度良く測定できます。10 ppmレベルの重金属を短時間に判別することができます。石膏の主成分である硫酸カルシウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)に、汚染土壌標準物質を混合し、Pb:11.8 ppm、Cd:10.7 ppm、As:8.7 ppmに調整した試料の10回繰り返し測定結果を表1に示します。測定はポリエチレン容器に粉末試料をそのまま充填して行いました(図1)。また、測定時間100秒における各元素の検出下限を表2に示します。この結果からNEX DEは特別な前処理を行わずに、迅速にppmレベルの有害元素分析が可能であることがわかります。
表1 単純10回繰り返し測定結果
図1 試料写真
表2 各元素の検出下限 (ppm)
1) 資源循環・廃棄物研究センター: https://www-cycle.nies.go.jp/jp/report/gypsumpowder.html
推奨装置
- エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX DE