エネルギー分散型蛍光X 線分析装置 NEX DE  -シリコーン被膜の定性分析-

Application Note B-XRF3014

はじめに

ラベル・包装・キッチン用品

ラベル・包装・キッチン用品などに用いられる材料には、剥離性や撥水性の向上等を目的としてシリコーン(ケイ素樹脂)に代表されるSi化合物が塗布されることがあります。このような製品の製造現場では、樹脂の塗布量が不足した不良品が出荷されてしまうことを防ぐための管理分析として蛍光X線分析法が広く利用されています。今回、エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX DE を用いて種々の材料上に塗布されたSiの分析を行った例をご紹介します。

測定・解析例

NEX DEを用いて、市販の食品包装材等を必要に応じて測定可能な大きさに切断しSiの分析を行いました。図1に、得られた定性スペクトルを示します。Si由来のピークの有無から、その材料にSi化合物が塗布されているかどうかが分かります。
表1に、最もX線強度の高い剥離紙を1とした際の相対的なX線強度を示します。Si化合物が多く塗布されているほど得られるX線強度は高くなります。この関係を利用して製品に塗布されたSi化合物の量を管理することも可能です。

Si-Kα定性スペクトル

図1 Si-Kα定性スペクトル

表1  材料ごとのSi-K 相対X線強度

材料ごとのSi-K 相対X線強度

NEX DE 試料室中のプラスチックトレイ試料

図2 NEX DE 試料室中のプラスチックトレイ試料

NEX DE では30 cm×30 cmの試料室に入る試料であれば切断等の試料処理の必要なく測定を行うことができます。図2に、プラスチックトレイ試料を試料室に置いた様子を示します。このように、試料処理が簡便かつ短時間での測定が可能であることから、各種材料上のシリコーン被膜の管理分析に NEX DE は有用です。

推奨装置

  • エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX DE

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