エネルギー分散型蛍光X 線分析装置NEX DE -食品中の異物分析-
Application Note
B-XRF3010
はじめに
食品の製造工程では食品中に異物が混入しないよう細心の注意が払われていますが、異物が発見された場合、迅速な異物の調査及び混入原因の特定が求められます。エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX DE はポイント分析機能を搭載しており、異物が混入した食品をそのまま分析し、その成分を調べることが可能です。今回、食品中に埋め込まれた異物の元素分析を行った例をご紹介します。
測定・解析例
図1 擬似異物混入試料
市販のパンとチーズにそれぞれTiを含む塗料とFeを主成分とする金属の小片を埋め込み、異物が混入した食品の擬似試料を作製しました(図1参照)。この擬似試料に対して NEX DE を用いて、異物箇所とその周辺部の測定を行いました。大気雰囲気下で測定径1mm、1試料あたりAl~Uの元素範囲を90秒で測定しました。図2のように、ホルダ等を使わずに試料をそのまま測定位置に置くだけで測定が可能です。
図2 試料測定時の様子
それぞれの試料を分析した定性スペクトルを図3に示します。パンに埋め込まれた塗料片からはTi、チーズに埋め込まれた金属片からはFeとNi由来の蛍光X線のピークが検出されました。このように異物が埋め込まれたままの状態でも NEX DE を用いることで迅速に異物および混入原因の調査が可能です。
図3 異物箇所とその周辺部の定性スペクトル
推奨装置
- エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX DE