エネルギー分散型蛍光X 線分析装置NEX DE -陶磁器着色部の小径分析-
Application Note
B-XRF3009
はじめに
蛍光X線分析法は、X線を照射することで試料から発生する蛍光X線を測定し元素情報を得る分析手法です。エネルギー分散型蛍光X線分析装置は幅広いエネルギー範囲を同時に測定することで、短時間で多くの元素を分析することができるため、スクリーニング分析に有効です。NEX DE は、測定径を1, 3, 10 mmに切換える機構と試料観察用のカメラを搭載することができます。これらの機構により、試料サイズに応じた分析ができ、またカメラで試料を観察しながら分析したい箇所を狙って分析することが可能です。
測定・解析例
陶磁器に使われている塗料には有害元素が含まれていることがあり、品質管理のために元素分析を行うことが重要です。今回、NEX DE を用いて陶磁器着色部の小径部分の元素分析を行いました。
図 1 試料観察の様子
NEX DE の試料室及び NEX DE 搭載のカメラで撮影した陶磁器の画像を図1に示します。測定箇所を中央の赤丸に合わせることで小径分析が可能です。陶磁器の無着色、赤、青色部の3箇所を測定径1 mmで定性分析を行いました。図2に各測定点での定性スペクトルを示します。赤色部からはCd、青色部からはCo由来のピークが観測されており、塗料中にこれらの金属元素が含まれていることが分かります。NEX DE ではカメラと測定径の切換機構を組み合わせて試料中の小径分析が可能です。
図 2 陶磁器着色部の定性スペクトル
推奨装置
- エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX DE