ロッキングカーブ測定による 単結晶基板の結晶方位の面内均一性評価

    Application Note B-XRD2027

    はじめに

    薄膜材料の特性は単結晶基板や下地層の格子欠陥、配向性分布などの影響を受けるため、高性能な薄膜デバイスの開発においては、単結晶基板や下地層の面内均一性の評価も重要になります。ロッキングカーブ測定のXYマッピングでは、単結晶基板や下地層の結晶状態の面内均一性を、視覚的かつ定量的に評価することができます。

    測定・解析例

    0.5 mm φ のX線を使用して、10 mm角のMgO基板の002反射(回折角度2θ = 43.08˚ )のロッキングカーブ測定を、X, Y方向に0.5 mm間隔で行いました。
    図1に、各測定点で観測されたプロファイル上で最大強度を示したピークのピーク角度のカラーマップを示します。試料面内の広い範囲にわたりピークシフトがみられ、MgO 002結晶格子面の傾きが試料全体で一定でないことがわかりました。図2に、図1内に点線矢印で示した測定点(X = -2.0 mm, Y = -4.5 mm ~ +5.5 mm)で観測されたプロファイルの重ねがきを示します。図1(a)左上の赤色で示されている部位のMgO 002結晶格子面は、緑色の部位に対して約0.055˚傾いていることがわかりました。

    MgO 002ロッキングカーブピーク角度のカラーマップ(a) 全角度範囲表示 (b)中間の角度の強調表示

    図1 MgO 002ロッキングカーブピーク角度のカラーマップ(a) 全角度範囲表示 (b)中間の角度の強調表示

    X = -2.0 mm, Y = -4.5 mm ~ +5.5 mmで観測されたMgO 002ロッキングカーブ

    図2 X = -2.0 mm, Y = -4.5 mm ~ +5.5 mmで観測されたMgO 002ロッキングカーブ

    推奨装置

    • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab
    • XY-20 mmアタッチメント、XY-4 inchφアタッチメント

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