RIR法とリートベルト法の併用による セメント中の非晶質成分の定量分析

Application Note B-XRD1093

はじめに

X線回折法における非晶質の定量分析法として、ピーク分離法がよく用いられていますが、結晶成分と非晶成分が同一化学組成であるという前提があり、セメントのような多成分系の試料に適用するのは困難です。また近年では、多成分の定量分析法としてRietveld法が用いられています。Rietveld法では内標準物質を添加することで非晶成分量を算出することが可能ですが、内標準物質を添加・混合するのは操作が煩雑で、時間を要するという問題があります。これらの手法に対して、被検成分とCorundum(α-Al2O3)を等量混合した際の強度比であるRIR(Reference Intensity Ratio)値を用いた結晶成分の定量分析では、被検物質のRIR値が既知であれば、内標準物質を必要とせず、計算で定量値を算出することが可能です。ここではRIR法(Reference Intensity Ratio)を用いたRietveld解析により、多成分系粉末試料中の非晶成分の定量分析を行いました。

測定・解析例

セメント標準試料(NIST2686標準物質)に、非晶成分として非晶質SiO2を 40mass%添加した試料に対して、RIR法によるRietveld解析を行いました(図1)。非晶成分の調製値(40 mass%)に対して解析値は40.8(7) mass%であり、調製値と解析値は良好に一致しました(括弧は標準偏差を示し、40.8(7)は40.8±0.7を表しています)。これより、内標準物質を用いない非晶質の定量分析法として、本手法が有効な手法であることがわかります。

セメント標準試料に非晶質SiO2を添加したときのX線回折パターンと非晶質成分の定量結果

図1 セメント標準試料に非晶質SiO2を添加したときのX線回折パターンと非晶質成分の定量結果

推奨装置

  • 全自動多目的X線回折装置 SmartLab SE + 高速1次元X線検出器 D/teX Ultra250
  • デスクトップX線回折装置 MiniFlex + 高速1次元X線検出器 D/teX Ultra2

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