X線回折装置MiniFlex300/600 による 建材中のアスベストの測定

Application Note B-XRD1068

はじめに

アスベストが頻繁に使用されていた1970~90年代から20年以上が経過して、アスベスト含有建築物の老朽化に伴 う解体が増加しています。そのため、解体する建築物中のアスベスト含有の有無について迅速な判断を求められて います。コンパクトな分析装置であるMiniFlex300/600と高速1次元X線検出器 D/teX Ultra2を用いることで、解体 現場などでのその場分析が可能です。

 

測定・解析例

図1に示すように、吹き付け材の一部を粉砕し、同定を試みたところ、図2のように、Calcite (CaCO3)、Gypsum (CaSO42H2O)、Quartz (SiO2)、Halite (NaCl) 中にChrysotile (Mg3(Si2O5(OH)4))が含まれていることがわかりま した。濃縮処理を行い、含有量を算出したところ、アスベストは0.5%含有していることがわかりました。本来、アスベ ストが含まれているか否かの判定については、JIS A1481-2008や2006年8月28日付の厚生労働省通達に基づい て行う必要がありますが、建材あるいは吹き付け材に含まれるごく低濃度のアスベストでも、MiniFlex600と高速1次 元検出器 D/teX Ultra2を用いることで濃縮処理せずに同定することが可能です。

 

B-XRD1068 Figure 1 ja
図1 吹き付け材

B-XRD1068 Figure 2 ja
図2 吹き付け材から得られたX線回折パターンと同定分析結果

 

装置・推奨ソフトウェア

  • デスクトップX線回折装置 MiniFlex300/600 + 高速1次元X線検出器 D/teX Ultra2

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