お菓子のグミを熱分析 その1 ~試料観察TG-DTA/GC-MS~
Application Note
B-TA2043
はじめに
グミはドイツ発祥のお菓子で様々な色や形をしており、その食感が人気です。グミはドイツ語で「ゴム」を意味しており、その名の通りゴムのような弾力があります。材料はゼラチンと果汁や砂糖などです。
試料観察TG-DTA/GC-MSを用いて加熱した際の試料形状の変化の様子や発生ガスを調べました。
測定・解析例
グミが熱分解する様子を確認する為、He雰囲気で室温~500℃まで20℃/minで昇温しました。イオン化法はEI法で測定しました。
図1にTG-DTA結果と試料観察画像を示します。試料観察像では60℃付近から形状変化がみられ100℃を超えたあたりからは発泡が始まり、徐々に黒色に変化していく様子が確認できました。
図2にMSの3Dプロファイル、図3にTG結果と主に検出したm/zのMSイオンサーモグラムを示します。
MSの結果から200℃付近までは発生ガスのほとんどがH2Oで、220℃付近ではHMF(ヒドロキシメチルフルフラール)、310℃付近では糖類やアミノ酸由来の発生ピークがそれぞれ確認できました。
HMFは炭水化物の熱分解により生成される化合物です。また、アミノ酸はゼラチンが熱分解され生成したものと予想されます。
図1 TG-DTA結果と試料観察画像
図2 MS3Dプロファイル
図3 TGおよびMSイオンサーモグラム
推奨装置・推奨ソフトウェア
- TG-DTA8122/CおよびMASS-IF、GC/MS
- 測定解析ソフトウェアVullios、3次元解析ソフトウェア