酸化性雰囲気でのポリマー加熱時の発生ガス

Application Note B-TA2034

はじめに

酸素を含む酸化性雰囲気でポリマーを加熱した際には燃焼によるCO2やH2Oの他に酸化した有機ガスが発生します。ここではポリスチレン(PS)を酸化性雰囲気で加熱した際の挙動を試料観察TG-DTAで確認しつつ、発生ガスを捕集してGC/MSにて定性分析をしました。

測定・解析例

PSを乾燥空気雰囲気にて室温~600℃、20℃/minにて昇温しました。図1(a)に試料観察TG-DTAの結果を示します。300~450℃及び550℃付近に発熱を伴う2つの減量が見られました。観察像から1段目の減量後の炭化した残渣が2段目の減量で消えていることが分かります。

1段目の減量が確認された温度域で発生ガスを捕集してGC/MSにて調べました(TG-GCMSモード)。その結果を図1(b)に示します。PSの解重合によるスチレン、スチレンダイマーの他にベンズアルデヒドやアセトフェノンといったPSの酸化生成物と推測される化合物が検出されました。
このようにTG-DTAとGC/MSを組み合わせて発生ガスの捕集及びGCカラムでの分離分析を実施すると、不活性雰囲気だけでなく酸化性雰囲気下での発生ガスの定性にも対応できます。

試料観察TG-DTA

TG-GCMSモード測定結果

図1 乾燥空気中でPSを加熱した際の(a)試料観察TG-DTA、(b)TG-GCMSモード測定結果

参考文献:株式会社カネカテクノリサーチ ウェブサイト:https://www.ktr.co.jp/analysis/case/case_114.html

推奨装置・推奨ソフトウェア

  • TG-DTA8122/CおよびMASS-IF(インジェクション接続)、GC/MS
  • Thermo plus EVO2ソフトウェア

お問合せ

製品選びから据付後の技術サービスまで、何でもお気軽にお問合せください。