セルロースエーテルのTG-DTA測定
Application Note
B-TA1018
はじめに
セルロースエーテルは水溶性の高分子で、増粘性、乳化安定性、保水性に優れており、食品や医薬品、化粧品等の添加剤として広く利用されています。
今回はセルロースエーテルの中でもヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)の4種についてTG-DTA測定を行い、結果を比較しました。
測定・解析例
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)をTG-DTAで測定しました。試料量は5mgとし、N2雰囲気で室温~500℃まで10℃/minで昇温しました。
図1にTG-DTA結果を示します。
ヒドロキシエチルセルロースは200℃付近から減量が始まり、350℃にかけて1段階の減量がみられました。これに対してヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースについては300~400℃にかけて1段階の減量がみられました。
分解開始温度はヒドロキシエチルセルロースが他に比べて100℃程度低いことがわかりました。
図1 TG-DTA結果
図2 各セルロースエーテルの構造式
推奨装置・推奨ソフトウェア
- TG-DTA8122
- Thermo plus EVO2ソフトウェア