波長分散型蛍光 X 線分析装置 ZSX Primus IV 樹脂中のフッ素分析

アプリケーションノート B-XRF1002

はじめに

ハロゲン元素は、周期表における第17族にあたり、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)などが該当します。

ハロゲン元素

ハロゲン元素を含む材料・製品は広く使用されており、例えば、フッ素化合物のPTFEやPFAは樹脂、コーティング材として知られています。機能性材料であるフッ素化合物は、耐熱性や対候性などに優れているため、様々な産業で活躍しており、その成分管理の手法の1つとして、固体でそのまま分析が可能な蛍光X線分析が使用されています。今回、樹脂中のフッ素の分析例を紹介します。

測定・解析例

ZSX Primus IV(図1)は、4 kW の高出力X線管を備えた波長分散型蛍光X線分析装置(WDX)です。数10 ppmからmass %までの幅広い含有率範囲のフッ素分析が可能です。 ここでは、ZSX Primus IV を用いた樹脂試料中の微量フッ素の分析結果を示します。
既知の濃度(ブランクおよび200 ppm)の樹脂試料を、ZSX Primus IVで測定しました。図2にフッ素スペクトルの測定結果を示します。 200 ppmの試料からフッ素のピークが明確に検出できました。また、スタンダードレスFP法による定量分析(SQX分析)の分析値は211 ppmであり、標準値とよく一致しています。ZSX Primus IVは煩雑な試料前処理を行わず簡便に微量フッ素の分析が可能であり、よりフッ素含有率が高いPTFEやPFAといったフッ素化合物の管理にも応用が可能です。

ZSX Primus IV

1 ZSX Primus IV

樹脂中のフッ素の蛍光X線スペクトル

2 樹脂中のフッ素の蛍光X線スペクトル

 

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