アプリケーションノート B-TA1088
はじめに
繊維には植物・動物由来の天然繊維と化学的に合成された化学繊維があります。これらの繊維が衣服等に使用された場合の劣化について、TMAを使用し、荷重変化に伴う膨張および収縮挙動から評価しました。
測定・解析例
サンプルは、綿、レーヨンの各シート(厚み0.2mm)を幅5mm、長さ15mmに切り出し、①オリジナルサンプル、②劣化サンプル(荷重20mN、Air雰囲気、90℃、24h保持)の2サンプルについて、22℃で温度保持し20mNから300mNまで引張荷重を段階的に変化させ、それぞれ10min保持後の膨張率を測定しました。
図 1 TMA測定結果
図 2 荷重-膨張率プロット
いずれのサンプルについても、荷重の増加による膨張と荷重の減少による収縮が現れていますが、綿の場合は、荷重変化に対する膨張率・収縮率は劣化サンプルの方がわずかに大きくなっています。レーヨンの場合は、劣化サンプルの方が膨張率・収縮率とも小さくなっています。この結果から、レーヨンの場合、劣化(荷重20mN、Air雰囲気、90℃、24h保持)により剛性が高くなったことが確認されました。綿とレーヨンを比較すると、綿の場合は劣化前後で変化は小さく、レーヨンの場合は劣化(Air雰囲気、90℃、24h保持)による変化が大きくなっており、劣化の影響がより顕著に現れています。
TMAによる膨張率の測定は、劣化による機械的特性の変化を把握する手段の一つとして、簡便で有効な手法です。