アプリケーションノート B-TA1072
はじめに
繊維には、植物・動物由来の天然繊維と、化学的に合成された化学繊維があります。繊維の物性の一つに吸湿性や吸水性があり、特に衣服や寝具などに使用される場合には、重要な特性となります。
本検討では、天然繊維である綿・麻、および化学繊維であるアクリル・ポリエステルについて、相対湿度を変化させた際の重量変化を比較しました。
測定・解析例
サンプルとして、綿、麻、アクリル、ポリエステルの各シートを直径4 mmに打ち抜き、約3.5 mgをAl製容器に入れました。温度は25℃で保持し、dry から20%RH刻みで80%RHまで相対湿度を段階的に変化させ、それぞれ35分間保持して測定を行いました。
図 1 TG-DTA測定結果
下表に各相対湿度下における重量変化率を示します。
| 各相対湿度下の重量変化率 (%) | ||||||||
| 20%RH | 40%RH | 60%RH | 80%RH | 60%RH | 40%RH | 20%RH | dry | |
| 綿 | 2.5 | 4.1 | 5.8 | 8.1 | 6.7 | 4.9 | 3.1 | 0.8 |
| 麻 | 2.1 | 3.7 | 5.4 | 8.1 | 6.5 | 4.5 | 2.7 | 0.4 |
| アクリル | 0.6 | 0.8 | 1.0 | 1.1 | 0.9 | 0.6 | 0.3 | 0.0 |
| ポリエステル | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.7 | 0.4 | 0.2 | 0.1 | 0.0 |
いずれの繊維も、相対湿度の上昇に伴い吸湿による増量が見られ、続いて相対湿度の低下により減量が確認されました。
重量変化量を比較すると、化学繊維であるアクリル・ポリエステルに比べ、天然繊維の綿・麻の方が吸湿性が高いことがわかります。また、アクリルとポリエステルを比較すると、アクリルの方がわずかに増量が大きい傾向を示しており、アクリルの吸湿性が高いと考えられます。