アプリケーションノート B-TA1071
はじめに
木材は、多糖類であるセルロースやヘミセルロース、リグニンなどから構成されています。建材、家具、楽器、食器など幅広い分野で使用され、パルプ原料としても利用されています。
木材は一般に200°C以上で分解・燃焼が起こることが知られていますが、ここでは湿度の異なる雰囲気における燃焼挙動の比較を試みました。
測定・解析例
サンプルとして割りばしに使用されている木材を約5mgのブロック状に切り出し、Al 製容器に入れて、昇温速度10°C/minでDry空気および90%RH 空気の各雰囲気下でTG-DTA測定を実施しました。
図 1 TG-DTA測定結果
Dry および90%RHの両雰囲気において、200°C付近までに脱水と考えられる減量が見られ、その後300°C付近までに約25%、400°C付近までに約48%の減量が確認されました。さらに450°C付近までにほぼ全量が減量しました。
300°C~400°Cおよび 400°C~450°Cの減量には、それぞれ発熱ピークが伴っており、燃焼による減量と発熱であると考えられます。これらの減量開始温度および発熱ピーク温度を比較すると、90%RHの雰囲気のほうがDry雰囲気に比べて高温側へシフトしており、湿度が高い場合には燃焼がより高温で起こることを示しています。
今回の結果から、木材の耐熱性を評価する際には雰囲気湿度の影響を考慮する必要性が示唆されます。