食用油の分解挙動 劣化による違い
アプリケーションノート
B-TA1058
はじめに
食用調合油(なたね油/オリーブ油)について、160℃で一定時間保持し劣化させたサンプルと未劣化サンプルの分解挙動を測定し比較しました。
測定・解析例
サンプルとして、市販の食用調合油をAl製容器に入れて160℃ 各6hr、12hr、24hrホールドしたものを作製し、TG-DTAを使用して空気中で600℃まで昇温しました。
図1 TG-DTA測定結果
各サンプルとも200℃付近から600℃にかけて4段階の減量が現れています。特に、300℃~400℃の減量率と発熱ピークにサンプル間の違いが見られ、ホールド時間が長いほど減量率が小さく、発熱ピークも小さくなっています。
表1 380℃ 減量率
Sample | 減量率 % |
温度ホールド無 | 58.3 |
ホールド 6h | 46.7 |
ホールド 12h | 38.8 |
ホールド 24h | 26.2 |
このことは、この温度域で分解燃焼する成分が熱的劣化に関連して変化することを示しており、減量率の変化が熱的劣化の程度を推定する指標の一つとなると考えられます。
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