熱分析豆知識
第22回 TS-POLAR、FETTの測定前には導通チェックを忘れずに!
熱刺激電流(Thermally Stimulated Current, TSC)測定は昇温過程で電極間に設置された試料を流れるごく微少な電流を観測する手法で、高分子材料のガラス転移現象をはじめとする様々な緩和現象の評価や半導体材料におけるトラップ準位の深さやトラップによる空間電荷量の評価に応用されています。この手法は基本的には絶縁体を対象としている測定方法であり、試料が短絡しているとTSCの微少な電流の検出が困難であり、場合によっては測定時の高電圧印加によって電流計を損傷させてしまう可能性があります。測定前にテスター等で試料の抵抗を確認し、抵抗が小さい試料を測定する場合はそれに合わせて印加電圧を変更することをお勧めします。
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