熱分析豆知識
第18回 TGでの発生ガス
ホームページやお電話でいただく熱分析のお問い合わせで、「○○のガスが発生するがTGで測定して大丈夫か」という質問がよくあります。ガスの種類にかかわらず共通してお答えするのは"如何に装置への損傷を減らすか"ということです。
まず2~3mgの試料量で測定することで発生ガス量を少なくし、且つ雰囲気ガスを300mL/min以上流して、試料から発生したガスを速やかに系外に放出する測定をお勧めしています。2~3mgの試料量で減量がはっきりと認められない場合、発生するガスはそもそも少ないので、試料量を増やしても良くなります。
発生ガスによる損傷の可能性が一番高いのは試料ホルダーの熱電対です。目的の試料を測定する前後でInなどの融解を測定し、試料測定前後それぞれのInの融解ピークの温度が変わらなければ熱電対は損傷していないことが確認できます。Inの融解ピークの温度が著しく低下した場合には熱電対が損傷した可能性があります。その試料の測定を今後継続的に行うのであれば、熱電対をアルミナでコーティングした耐蝕試料ホルダーを検討することをお勧めします。
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