熱分析豆知識
第27回 比熱容量の話(2)
ガラス転移において試料の比熱容量が急激に大きくなるためにDSCのベースラインがシフトするという話は第11回で行いましたが、結晶化の発熱ピークや融解の吸熱ピークを拡大した時にピーク前後でベースラインの位置(高さ)が明らかに変わっていると思ったことはありませんか?これも試料の比熱容量が反応前後で変わるために起こっています。
結晶化は液体から固体に、融解は固体から液体に変化しますが、固体と液体ではそもそも比熱容量は異なり、液体の方が大きくなります。DSCのベースラインの試料の熱容量に関係した出力値になるため、ピーク前後で状態が変わる場合、ベースラインの出力値も変わるのです。
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