熱分析豆知識

 

第12回 雰囲気との反応~酸化反応測定の注意点~

金属などの酸化反応をTG-DTAで測定する時には2つの点に注意すると良いでしょう。
1つは試料の表面積です。金属の酸化反応では表面が酸化し、その後内部への拡散が進行します。場合によっては表面だけ酸化して酸化膜が形成され、それ以上内部へは酸化が進まないこともあるため、酸化率は表面積に依存することになります。例えば、試料がブロックと粉体である場合、表面積が全く異なり、同じ重さでもブロックの方が表面積は小さいため酸化率は小さくなります。また粉体であれば試料の比表面積が酸化率に影響を及ぼします。
もう1つの注意点は、酸素と接触する面積の大きさです。酸化は雰囲気中の酸素との反応になりますので、容器と接触しているブロックの底面や、サンプリングする際の粉体内部への酸素浸透率などを考えた場合、酸化しにくい場所ができてしまいます。
材料間において酸化率の比較を行う際はこのようなことを念頭において結果を比較する必要があります。

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