熱分析豆知識

 

第6回 測定結果の誤差~TG編~

TG測定では重量変化率を解析すると思います。
解析結果の誤差の要因は複数ありますが、そのうちの一つは先月号でご紹介した、初期重量が関係します。二つ目の要因は"ドリフト"です。
"ドリフト"は"見かけ上の重量変化"とも言われる、試料による重量変化ではない「装置依存の重量変化」のことです。この"ドリフト"は、サンプル側とレファレンス側の両方に空容器もしくは同量のアルミナを入れた容器を装置にセットし、測定することで調べることができます(ブランク測定と呼びます)。
試料の測定結果は"試料の重量変化+ドリフト"になりますので、試料の重量変化量がドリフトに比べて十分に大きければ誤差は小さいのですが、試料の重量変化量が小さくドリフトの影響が気になるような場合には、試料の測定結果からブランク測定結果を差引することでドリフトをキャンセルすることができます。
この操作はソフトウェアから簡単に実行可能です。
([解析]-[ベースライン補正]-[ブランク補正])。

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