熱分析豆知識
第34回 1st.heating、2nd.heating測定
熱分析では、昇温(1st.heating)後、同一サンプルを再昇温(2nd.heating)する場合があります。
実際には、1st.heating→cooling(冷却)→2nd.heatingの測定を行い、データを比較することになるのですが、1st.heatingと2nd.heatingの結果が同じ場合、1st.heatingで起こった変化は、可逆的であることがわかります。このことは、cooling過程において1st.heatingで起こった変化の逆変化が起こり、昇温前と同じ状態となったことを示しています。
また、1st.heatingと2nd.heatingの結果が異なる場合は、1st.heatingで起こった変化は、不可逆変化であり、その後温度が下がっても、昇温前とは異なった状態に変化したとことが考えられます。
可逆変化の例としては、金属の融解・結晶化(凝固)などがあり、不可逆変化としては、熱硬化性樹脂の硬化などがあります。
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