熱分析豆知識

 

第33回 レファレンス側にアルミナ粉末を使用したら80℃付近に発熱ピーク!これは?

DSC測定において、サンプルとレファレンス(基準試料)の熱容量差を小さくし、昇温開始直後のベースラインシフト(階段状の変化)を小さくするために、レファレンス側にα-アルミナ粉末を使用して測定する場合、80℃~90℃付近に小さな発熱ピークが現れることがあります。

この発熱ピークはサンプルに起因するピークでしょうか?それとも・・・?

使用するα-アルミナ粉末が吸湿している場合には、昇温過程でレファレンス側に脱水による吸熱が起こりサンプル温度よりレファレンス温度が低くなるため、結果的にDSCに発熱ピークとなって現れます。

サンプル由来の発熱ピークかどうかを確認するためには、あらかじめ150℃程度まで加熱したα-アルミナ粉末またはAlプレートをレファレンスに使用して再度測定します。この時、発熱ピークが消失するようであれば、レファレンスに起因するピークであると判断できます。

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