熱分析豆知識
第15回 結晶化度の計算(1)
結晶化度は試料の結晶質の割合となり、DSCで測定される場合があります。DSCで結晶化度を決定する場合、測定結果における試料の融解ピークのエネルギー値(ΔH融解)と結晶化度100%での融解エネルギー値(ΔH100%結晶質)から計算し、試料の結晶化度は
ΔH融解/ΔH100%結晶質
で計算されます。また昇温過程で冷結晶化を起こしている場合、この冷結晶化ピークのエネルギー値(ΔH冷結晶化)を考慮して、
(ΔH融解 - ΔH冷結晶化)/ΔH100%結晶質
で計算されます。DSCで結晶化度を計算する場合の注意点は、結晶化度100%の時の融解エネルギーです。医薬品では実測することが可能な場合も多いですが、高分子では100%結晶質の状態を得ることが難しいため、高分子材料で結晶化度を議論する際には注意が必要です。
DSCvesta 製品情報はこちら
本記事または熱分析一般に関するご質問やお問い合わせ
E-mail:netsu@rigaku.co.jp
