石膏(CaSO₄・2H₂O)の脱水 湿度依存性
アプリケーションノート
B-TA1056
はじめに
石膏(CaSO₄・2H₂O)の脱水について、相対湿度を変えた雰囲気下での脱水を測定しました。
測定・解析例
CaSO₄・2H₂Oについて、dry、45%RH、90%RHの雰囲気下で脱水に伴う重量変化(減量)と吸熱変化を測定し、比較しました。
図 1 各相対湿度雰囲気下での脱水
dry、45%RH、90%RHの各雰囲気下で脱水による挙動を比較すると総減量率は同一です。しかし、dry、45%RH、90%RHの順で減量開始温度、減量終了温度および吸熱ピーク開始温度、ピーク温度、ピーク終了温度は高温側にシフトしており、脱水温度がサンプル周囲の湿度に依存して変化する(周囲の湿度が高いと脱水が起こりにくくなる)ことを示しています。
さらに、DTAピークを詳細に見ると、dry雰囲気では、吸熱ピークはブロードでほぼ単一のピークとなっているのに対し、45%RH、90%RHの雰囲気では、単一のピークではなく複数の連続したピークであることが認められ、脱水が段階的に起こっていることが推測されます。
このように、湿度を変化させた雰囲気下で脱水を測定することにより、サンプルと水の結合状態に関しての知見が得られると考えられます。
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