アプリケーションノート B-XRI1039
はじめに
積層セラミックコンデンサ(MLCC)の品質評価では、内部に存在する欠陥や内部電極の形状把握が不可欠です(1)。近年では、小型化と高静電容量化のニーズを背景に、誘電体層と内部電極の薄層化・多層化が進み、その構造は数µmオーダーに達しています。このような微細構造の観察にはSEMが使用されますが、破壊が伴う試料加工が必要であり、観察領域は切断面に限定されます。X線CTを使用すると試料を破壊することなく内部構造を観察でき、欠陥の発生箇所を特定できます。本アプリケーションノートでは、超高分解能X線CTであるナノスケールX線顕微鏡により1005サイズ(長さ1.0 mm×幅0.5 mm)のMLCCを撮影し、内部構造を観察した事例をご紹介します。
測定・解析例
1005サイズのMLCC全体を画素サイズ0.67 µmでCT撮影し、内部構造を観察しました(図1)。
図1: MLCC全体の観察
外部電極の内部と内部電極に数十µmオーダーの欠陥(空隙)が確認されました(図2)。
図2: MLCCの観察領域を拡大した断層画像
(上:MLCC端部、下:MLCCの中心部)
図2に示した内部電極の欠陥部周辺を詳細に観察するために、画素サイズ0.19 µmで拡大撮影しました(図3)。拡大撮影により、内部電極全体に存在する数µmオーダーの多数の空隙と、約15 µmに及ぶ欠陥の形状が鮮明に可視化されました。図4には、内部電極のみを抽出した立体画像を示します。内部電極が湾曲している場合、単一断面の観察だけでは連続性の確認が困難ですが、立体画像を用いることで内部電極全体の連続性をより容易に把握できます。
図3: 拡大撮影した内部電極の断層画像
図4: 拡大撮影した内部電極の立体画像(表示範囲:300 × 300 × 50 µm)
以上のように、ナノスケールX線顕微鏡を用いることで、MLCC内部の微細構造を非破壊で観察できます。本手法は、作製条件の比較や品質管理に加え、故障解析における断面加工前のスクリーニング、観察位置の特定にも有用です。
参考文献
推奨装置・ソフトウェア
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ナノスケールX線顕微鏡CT Lab HR160