リチウムイオン電池中の粒子分布解析およびクラックの解析

Application Note BATT1022

はじめに

電池の設計開発には、試作品を用いた各種部材や材料の内部構造評価が重要です。しかし、SEM等を用いて試作品の内部構造を評価する場合には、物理的に試料を破壊し、観察面を作成する必要があります。

一方、X線CTでは、試料内部状態を非破壊で観察でき、解析ソフトウェアを用いて観察した部材や材料の状態を定量的に評価できます。使用後のコイン型リチウムイオン電池をX線CTで撮影し、試料内部に発生したクラック体積や分散する粒子の粒径およびその分布を評価した例を示します。

構成分析

  • 分析: 電池
  • 用途: 研究開発
  • 分析材料:  リチウムイオン電池CR2032
  • 使用機器: CT Lab HX
  • 使用機器: VGSTUDIO MAX

batt1022 figure 1

Figure 1: 断層画像 


batt1022 figure 2

Figure 2: クラック解析および粒径分布解析(Fig. 1)の一部を解析

結論

Fig.1から、通電後の試料は試料全体でクラックの発生を確認できます。Fig.2から、分散している粒径は0.1mm程度で、試料外側部分に分散していることを把握できます。非破壊で内部構造を観察することで、クラックの発生場所およびそのサイズと粒子分散位置の関係を推測できます。

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