X線トポグラフィー
非破壊で転位などの結晶欠陥、表面への貫通転位やエピタキシャル層の欠陥などを検出
X線トポグラフィー(XRT)は、ブラッグ回折に基づくイメージング技術です。X線トポグラフ画像は、サンプルにX線を照射して回折してきたX線の強度を記録します。つまり、X線トポグラフィーは、ラウエ反射の空間的な微細構造のように、反射されたX線の強度を色濃度に変換して、2次元マッピング画像として表す手法です。この強度マッピングは、結晶内部の散乱力の分布を反映しますので、トポグラフ画像は、非理想的な結晶格子の不規則性を明らかにします。
X線回折トポグラフィーは、X線イメージングの一種であり、X線撮影やコンピューター断層撮影(CT)で通常使用される吸収コントラストではなく、回折コントラストを利用する評価法です。XRTは、さまざまな結晶材料内の欠陥を視覚化し、品質をモニタリングする際に使われます。例えば、新しい結晶成長法を開発する中で、結晶の成長度合いや品質が目標値に達しているかを観察し、繰り返し成長条件を最適なものにしていく際などに、このXRTが役に立つ手法であることが実証されています。多くの場合、X線トポグラフィーは、サンプルの準備が不要であり、またサンプルを傷つけることなく測定できるため、非破壊検査の一種であるといえます。
アプリケーションノート
以下のアプリケーションノートは、この分析手法に関連しています。